2012年3月22日木曜日

天水田と菅原通済

大山千枚田が「日本棚田百選」の一つに選ばれていることは以前から知っていた。

最近、大山千枚田保存会の加藤亜衣子さんの「農業と文化と自然環境を守る大山千枚田」を読んで、初めて、それが「百選」中唯一の天水田であることを知って驚いた。


天水田とは、灌漑水路を持たず、雨水の自然な貯水だけで営まれる田んぼのことだ。

昨日、憬月荘近隣の達人Aさんから聞いたところでは、近辺の田んぼはみな天水田だった由。

天水田のことは、数年前に、菅原通済の「とんびの舞」という随筆集の中で知って、以来興味を持っていたが、その後ずっと、そのほかの情報にめぐり合えずにいた。(菅原通済は実に面白い人物であるから、その正体については、ぜひ我輩の古いブログのこの記事をご参照願いたい。)

「とんび」によれば、遠藤正重という農学博士の役人が、大正二年、米山さんに連なる東頸城地方に出張の折、発見し興味を持って研究を始め、全国への普及を志したとある。

菅原自身、このことを知って相当に興味を持ったふうで、その随筆は、「千葉の農事試験場のご好意で、僅かながらも早速実験してみることにし、すでに工事に着手した。」という一文で締めくくられている。日付は、昭和22年6月6日。

長狭近辺の天水田の歴史も調べてみたくなった。

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